誤報は絶対許されない!「報道の正確性」と「スクープ競争」の狭間で揺れるテレビクルーたち…世界中を絶望へ転落させる本編映像が解禁しました!
このテロ事件は、当時の世界に衝撃を与えただけでなく、テレビを通じてリアルタイムで中継された最初の国際的なテロ事件でもありました。本作は、今、目前で起きている凄惨なテロ事件を報道しなければならない責務と、そのまま報道しても良いのか、その倫理の狭間に立つテレビクルーの葛藤をも克明に映し出しています。
監督が語る報道と責任
『セプテンバー5』が斬新で、且つ緊迫感を体験できるのは、ABCの中継スタジオ内と現場からレポートすることに焦点を当て、かつてない視点で描かれているからです。事件をリアルタイムで報じたテレビクルーの視点に立つことで、当時の報道が持っていた影響力を浮き彫りにしています。
ティム・フェールバウム監督は、本作の制作にあたり次のように語ります。
「興味を持った理由は二つあります。一つは、映画監督として面白い挑戦だと思ったこと。本作の舞台はスタジオで完結します。事件は至近距離で起きているにも関わらず、外の世界にはモニターを通して繋がっているのみです。もうひとつは、私自身メディアに身を置く一人として、あの日のメディアがどうだったかは他人事ではないと感じました。当時のメディア、そして現代におけるメディアの役割について描きたいと思ったのです。純粋無垢な眼差しで世の中を見ているような、普段はスポーツ中継をしているスポーツ局のクルーが突然、『テレビで人質が殺害される瞬間を映してよいのか』といった問題と向き合うことになるのです。」
ジャーナリズムの葛藤が浮き彫りに。テレビクルーが大失態した運命の分岐点
今回解禁された本編映像では、ドイツの公共放送局「ZDF」が“確認した情報”として「人質は全員解放された」と報じるシーンが描かれます。しかし、その速報を受けたABCスポーツ局のプロデューサー、ジェフリー・メイソン(ジェフ)は、その情報の確度に疑問を抱き、先輩のマーヴィン・ベイダー(マーヴ)と共に慎重な確認作業を進めようとします。一方、スポーツ局トップのルーン・アーレッジ(ルーン)は、競争が激しいニュースの世界で他局に遅れを取ることを嫌い、「“噂では”と付けてでも報道する」と主張。マーヴは「確実な情報源が二つ必要だ」と放送を制止しようとしますが、ジェフは「他局にスクープを奪われてもいいのか?」とルーンの決断を後押しします。
まさに今でも盛んなスクープ合戦が、当時の報道にも求められていました。きちんと「確実な情報源が二つ必要」というルールがあったにもかかわらず、極限の精神状態では正しい判断ができずに、この後、世界中を混乱させる“誤報”が、世界中の人々を絶望させる結末へと突き進んでいきます。
現代に通じるメディアとテロの関係
このテロ事件に関する報道は、情報の正確性、倫理、メディアの役割といった点で多くの論争を生みました。
フェールバウム監督は、「もう半世紀も前の出来事を描いていますが、今だからこそ意味があると感じます。テクノロジーは現代のものと違いますが、倫理上の問いは同じだからです。今では、誰もがスマホを持ち歩き、情報を発信できる時代です。観客の皆さんが劇場を後にするとき、果たして今日私たちはどうメディアを消費しているのか、話したり考えたりするきっかけになればと思います」と述べています。
中継が結果としてテロリストたちの目的を果たすことになったのではないか?テロリストの要求や動向が全世界に報じられることで、彼らの目的が達成されたのではないかという問題提起は、現代の報道機関が直面する課題とも共鳴します。近年、戦争やテロ事件が報じられる際、メディアの役割についての議論がますます活発化しています。『セプテンバー5』は、その議論に一石を投じる作品です。